こんにちは!ねくろむです
私は普段メガネ屋さんで働く者で、『認定補聴器技能者』という補聴器の資格を有しております
前回は補聴器と集音器の違いについて説明しました、気になる方は下の記事をどうぞ
今回は補聴器の形状と特徴をお伝えしたいと思います
補聴器にはさまざまな形状が存在します、どれか1つの形状が特別秀でている訳ではなく、それぞれの形状によって長所や短所が存在します
この記事は補聴器の購入を検討しているが色んな形状があってどれを選べばいいかわからない方の参考になると思います
結論から先に言いますと、
高度難聴までの方なら
- 第一候補→レシーバー分離型(RIC)
- 第二候補→中型耳穴式(カナル)
となります
この記事は3分あれば読めます、ぜひ最後までご覧くださいませ
補聴器の形状
補聴器の形状を大別すると3つのタイプに分類することができます
- 耳の上に掛けるタイプ
- 耳の中に入れるタイプ
- その他のタイプ
では、それぞれ見ていきたいと思います
耳の上に掛けるタイプ
初めに”耳の上に掛けるタイプ”の補聴器の形状を見ていきましょう
耳掛け型
耳掛け型補聴器です
補聴器といえば”耳掛け型”を想像する方も多いのではないでしょうか
その名の通り補聴器を耳の上に乗せて(引っ掛けて)安定させます
メガネを掛けている方はわかると思うのですが、メガネの耳に掛ける部品と同じ位置に補聴器の本体がくるようなイメージです
補聴器本体は大きいので装用すると割と目立ちます
音が耳に伝わる仕組みは、補聴器から出力された音が透明なチューブを通り、耳栓から鼓膜に伝わるという感じになります
レシーバー分離型(RIC)
レシーバー分離型補聴器です
別名RIC補聴器(Receiver In the Canal)、音を出すレシーバーが耳の中にあるという意味です
耳掛け型補聴器と比べると、レシーバーが外に出ている分小型化されています
耳の中まで伸びているチューブもとても細いですね
現在最も主流となっている補聴器です
耳の中に入れるタイプ
次に”耳の中に入れるタイプ”の補聴器の形状を見ていきましょう
小型耳穴式(CIC)
小型耳穴補聴器です
CIC補聴器(Completely In the Canal)と呼ばれます、完全に耳穴に入るという意味です
耳の中に入れるタイプの補聴器の中では一番小型の補聴器になります
耳の中に完全に収まりますので、全補聴器形状の中で一番目立ちません
比較的軽度の難聴の方が使用しています
中型耳穴式(カナル)
一番ベーシックな耳穴補聴器です
カナル型補聴器と呼ばれるタイプです
大きさは耳穴式の中ではちょうど真ん中くらいの大きさです
耳穴式補聴器を装用している多くの方が、このカナル型補聴器を使用しています
大型耳穴式(フルサイズ)
一番大きなサイズの耳穴補聴器です
フルサイズ型補聴器と呼ばれるタイプです
本体が大きい分大きな音を出すことができます
比較的高度の難聴の方が使用しています
その他のタイプ
最後に上記以外の補聴器を見ていきましょう
箱型(ポケット)
箱型補聴器です、ポケットの中に入れて使用するので”ポケット型”とも呼ばれます
全補聴器形状の中で一番大きいです
本体と耳栓の間は長いコードでつながっています
骨導型
耳の後ろにある骨を直接振動させて音を伝える補聴器です
骨導式補聴器と呼ばれます
メガネと一体化したものや、カチューシャの形状のものがあります
道具と一体化しているため、一見補聴器と気づきにくいです
形状の違いによる補聴器の特徴
それではそれぞれの補聴器の形状による特徴の違いを見ていきましょう
1️⃣耳掛け型
- 大きさ・・・☆
- 機能性・・・☆☆☆
- 音の出力・・・☆☆☆
- 目立ちにくさ・・・☆
補聴器本体は大きく、耳に装用した際も非常に目立ちます
ただ本体が大きい分大きな音を出すことができるので、重度の難聴の方まで対応することができます
また本体が大きいことでボリュームボタンやプログラムの切り替えスイッチが付くので、本体側で細かい調節をすることが可能です
電池も大きいタイプが多く長持ちします(1つの電池で10日前後)
最近は充電式の耳掛け型補聴器が増えて来ています
耳の上に掛けるので、メガネやマスクに干渉しやすいです
2️⃣レシーバー分離型(RIC)
- 大きさ・・・☆☆
- 機能性・・・☆☆☆☆
- 音の出力・・・☆☆☆
- 目立ちにくさ・・・☆☆☆
補聴器本体から音を出すレシーバーを外に出した形状のため小型化されています
装用した際も本体から耳栓をつなぐチューブが細いため目立ちません
またレシーバーの出力が高いものを使用すると、重度の難聴の方まで対応することができます
電池は小さいタイプが多く大体7日前後使用できます
最近は充電式のレシーバー分離型補聴器が増えて来ています
耳の上に掛けるので、メガネやマスクに干渉しやすいです
スマホと連動したり、両耳で通信したりと機能性が高いのも特徴です
3️⃣小型耳穴式(CIC)
- 大きさ・・・☆☆☆
- 機能性・・・☆
- 音の出力・・・☆
- 目立ちにくさ・・・☆☆☆
耳穴式の中で一番小型な形状をしています
耳の穴の中にすっぽり入る大きさです
そこまで大きな音を出すことはできず、中度の難聴の方まで対応することができます
補聴器本体が小さいため電池も小さくなり大体5日前後使用できます
同じ理由で機能性もそれほど高くありません
耳の中に入るので、メガネやマスクは干渉しません
4️⃣中型耳穴式(カナル)
- 大きさ・・・☆☆
- 機能性・・・☆☆
- 音の出力・・・☆☆
- 目立ちにくさ・・・☆☆
耳穴式の中で中型のスタンダードな形状です
本体にボリュームダイヤルやプログラムスイッチを取り付けることができます
割と幅広い聴力に対応しており、高度の難聴の方まで対応することができます
補聴器電池はRICタイプ同様7日前後使用できます
耳の中に入るので、メガネやマスクは干渉しません
5️⃣大型耳穴式(フルサイズ)
- 大きさ・・・☆
- 機能性・・・☆☆
- 音の出力・・・☆☆☆
- 目立ちにくさ・・・☆
耳穴式の中で一番大きな形状です
カナル型同様、本体にボリュームダイヤルやプログラムスイッチを取り付けることができます
耳穴式の中で一番出力が高く、高度から重度の難聴の方まで対応することができます
補聴器電池は耳掛け型同様10日前後使用できます
耳の中に入るので、メガネやマスクは干渉しません
6️⃣箱型(ポケット)
- 大きさ・・・
- 機能性・・・☆
- 音の出力・・・☆☆☆☆
- 目立ちにくさ・・・
胸ポケットに本体を入れて、本体から伸びたコードの先の耳栓を耳の中に入れて使用します
全補聴器の中で一番出力が大きく本体も大きいです、重度の難聴の方まで対応することができます
耳に直接付けて使用する訳ではないので、集音効果は高くないです
電池は単三電池を使用するので長持ちします
価格は全補聴器の中で一番安く済みます
7️⃣骨導型
- 大きさ・・・☆
- 機能性・・・☆
- 音の出力・・・☆☆
- 目立ちにくさ・・・☆☆☆
耳に音を入れるのではなく、耳の後ろの骨を直接振動させて聞こえる補聴器です
鼓膜が無いなどの理由で、低音が聞き取りづらい方に適した補聴器です
高音が聞き取りづらい”加齢性難聴”の方には適合しにくい補聴器です
耳の穴を塞ぐ必要がないため、閉塞感が出ないのが特徴です
まとめ
補聴器の形状と特徴の解説は以上になります
私が長年補聴器を販売・おすすめしてきた中で、初めて補聴器を使用するのでしたら
高度難聴までの方という前提で
第一候補→レシーバー分離型(RIC)
理由は
- 小型で装用すると目立ちにくい
- スマホと連動したり・両耳間で連動通信したりと機能性が高い
- 耳栓が耳の中を圧迫しないタイプを選べて長時間使用しやすい
- 補聴器メーカーが一番力を入れて開発している形状タイプ
第二候補→中型耳穴式(カナル)
理由は
- 音を拾う場所が耳の中なので集音が自然
- メガネやマスクと干渉しない
- 補聴器を装用するのに手こずりにくい(装着しやすい)
- RICタイプと比べると耳の閉塞感・圧迫感がある
となります
初めての補聴器で長時間の装用を考えると、レシーバー分離型(RIC)がベターな選択になると思います
ただし装着にコツがあったり、マスクを外す時に一緒に外れやすいなどの特徴もありますので注意は必要です
どの形状の補聴器も一長一短がありますので、ご自身の優先順位にマッチした補聴器を選択してくださいね
この記事が皆様の補聴器選びの一助になりましたら幸いです!
では
またね〜
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